CTCって何?
末梢循環腫瘍細胞は、がん・腫瘍から血中に入り、血管内を循環しているがん細胞です。
がん細胞が分裂を重ね、がん腫となり、直径が1mmを超える頃、栄養や酸素を得るために血管への経路をつくります。
血管とつながると、がん細胞が血液内に流れ出すようになります。
これが循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell:CTC)です。
CTCの多くは、すぐに死滅しますが、一部は、細胞分裂を休止することで、血液中でも生命を保ち、循環し続けます。
まだ見えないがんを検知
末梢循環腫瘍細胞検査(CTC検査)は、わずか20ml(20cc)の血液を採取し、CTCを検知する検査です。血液中を循環するCTCは、ごくわずかですが、がん細胞特有のタンパクやDNA型7などを目印にがん細胞を検知することができます。
CTCを検出することで、まずがんの早期発見や再発の検知などが可能です。
CT(コンピュータ断層診断装置)検査などの画像検査では、がん腫の直径が1cm以上にならないと発見できず、PET(陽電子放出断層撮影)検査でも直径5mmが限界です。しかしCTC検査では、直径1mm以上になった段階で検知できる可能性があります。
CTC検査でわかること
CTC検査は、20mlの採血を行い、種々の分析を行うことで、次のようなことを検知することを目指します。
1・がんの超早期発見
採血によって得た血液サンプルから、このCTCを検知し、直径1mmを超えた大きさのがん腫の存在を検知します。がん腫は、種類によって異なりますが、がん細胞の発生から1mmになるのに5~10年、1cmになるのに10~20年かかるとも言われます。
2・がんの進行度・悪性度の判断
血液中のCTCの密度を測定することで、がんの悪性度と進行度を分子生物学的に把握することができます。
3・再発と転移の監視
がん治療のために手術を行った後、抗がん剤による化学療法を行った後にCTCをモニターすることにより、超早期に再発や転移を検知することができます。治療が不可能になる数年前に適切な治療を施せます。
4・CTCに発現している遺伝子の種類と内容を検証
CTCによってがん細胞の遺伝子の特性を把握し、次のような検証を行います。
- がん細胞が栄養をとるための血管新生のレベルを検証
- がん細胞の遺伝子転写の度合いをみて増殖を検証
- がんのテロメラーゼ*による不死化の状態を検証
*細胞の遺伝子にあり細胞の寿命を左右するテロメアに作用して、細胞の寿命を延ばす役割をする酵素。 - がんのDNAの複製、細胞分裂の活発度を検証
5・服用する抗がん剤の最適化
がん細胞を増殖させ抗がん剤の効果を判定し、次のような検証を行い、治療効果が最も高い抗がん剤を選別します。
- がんの抗がん剤への抵抗性の有無
- がんによる抗がん剤への解毒代謝の検証
- モノクローナル抗体の有効性の判定
- ホルモン療法の治療導入の判定
- サリドマイド効果*の検証
*サリドマイドには、がん腫の血管新生阻害をはじめ、がんに対するさまざまな有効性が指摘されており、治療に活用されている。
有効な天然成分を検証します
がん治療に有効な天然成分が、数多く指摘されていますが、個々の患者さんの体質やがんの特性によって有効な場合も無効な場合もあり、効果の度合いもさまざまなです。
CTC検査では、ビタミンC、ウクライン、マイタケ、レスベラトール、大豆、H202など50品目弱の天然成分をがん細胞に投与し、
- A・直接のがん細胞障害作用
- B・増殖因子の阻害の度合いの検証
- C・免疫活性による抗がん作用を検証。
を行い、個々の患者さんに最も効果が期待できる天然成分の検証を試みます。
がんをコントロール可能な状態に制御する試み
さらにCTC検査では、分子生物学的なCTCの検査によって、がんの休止期と転移性幹細胞の状況を把握できます。これによりがん細胞を完全に死滅させ、完治させることは不可能でも、がんを休止期に保ち、制御可能な「死には至らない病気」にすることが期待できます。
料金表
検査料金 | 600,000円(税抜) |
CTC検査(末梢循環腫瘍細胞検査)にご興味・ご関心をお持ちの方はお気軽にご相談ください。