高濃度ビタミンCの作用
高濃度ビタミンC点滴療法とは、その名の通り、高濃度のビタミンCを静脈内に点滴することによって身体の内部から様々な効果を得ることを目的とした点滴治療の一種です。
ビタミンCは、血液中のように鉄イオンが存在する環境で、一定濃度以上投与すると、活性酸素である過酸化水素を発生します。正常細胞は、カタラーゼという酵素を備え、過酸化水素を中和することができるので、被害を受けませんが、がん細胞の多くは、カタラーゼ欠乏状態なので、活性酸素の被害を受けて死にます。
一方、細胞の使うエネルギーのほとんどを産生する細胞内小器官であるミトコンドリアの機能をビタミンCは正常化・活性化する機能を持ち、ビタミンCが、免疫システムを活性化させる多様な機能などがんとの闘いを支援する種々の作用も確認されています。
高濃度ビタミンCには、血液中でがん細胞を殺す能力と、がんと闘う免疫系を支援する両方の能力が期待できるというわけです。
科学・医学的な研究で効果を実証
この高濃度のビタミンCの機能が注目を集めたのは、21世紀になってからでした。
2005年にアメリカ合衆国の国立衛生研究所(NIH)、国立がんセンター(NCI)、食品薬品局(FDA)の研究者が、高濃度ビタミンC点滴療法ががんに有用である可能性を示した基礎研究論文をアメリカ科学アカデミー紀要に発表し、高濃度ビタミンC点滴療法は、にわかに注目を集めたのでした。
そして2006年には、NIHとNCIや複数の大学の研究者が、高濃度ビタミンC点滴療法が明らかに有効であった3症例(腎臓癌、膀胱癌、悪性リンパ腫)を、NIHの症例報告の基準で論文にまとめました。
それ以降、多くの研究成果が重ねられ、臨床実績も確認され、現在、発祥の地であるアメリカやカナダを中心に多くの医師が、がん患者に対して高濃度ビタミンC点滴療法を実施しています。
高濃度ビタンC点滴療法の活用法
高濃度ビタンC点滴療法には、さまざまな活用パターンがあります。
たとえば、抗がん剤による化学療法などの標準治療を支援するパターンや抗がん剤の副作用を軽減するために併用するパターンがあります。また標準治療での治癒が難しい場合や標準治療を拒否する患者さんに対する代替医療として施す場合もあります。
高濃度ビタンC点滴療法単独でも制がん効果は期待できますが、化学療法や放射線療法との併用、さらに免疫賦活剤との併用では、より確かな効果が発揮される可能性があります。当クリニックでは、こうした併用療法にも対応しています。
高濃度ビタンC点滴療法の副作用など
アメリカでの臨床実績では、点滴初日に腫瘍から出血を起こした事例1件の報告があります。
ビタミンCを過剰に摂取すると尿管結石になりやすいことが知られていますが、高濃度ビタミンC点滴療法による尿管結石の像悪は、ほとんど起こらないとされています。
また、透析中の腎不全の患者さんや治遺伝的に赤血球膜の酵素が欠損するG6PD欠損症という遺伝子疾患を持つ方は、病状の悪化の危険性があり、高濃度ビタンC点滴療法受けることはできません。
治療のパターンと回数
当クリニックでは、ビタミンC15gから点滴を開始し、25g、50gと増量して行きます。
血液中のビタミンC濃度を測定し、投与するビタミンCの適正量を決定します。
がんの患者さんで、もっとも多いパターンは、週に2回の点滴で6ヵ月間継続すというものです。
その後の経過が順調であれば、週1回を6ヵ月、2週に1回を1年間と頻度を下げていきます。
料金表
検査料金 | 11,000円(税込) |